金利が上がると、住宅ローンの返済はどう変わる?

「住宅ローンの金利が0.5ポイント上がる」と聞いても、家計への影響は想像しにくいものです。ここでいう0.5ポイントの上昇は、年0.5%から年1.0%へ変わることを指します。

たとえば借入額が3,000万円で、返済期間が35年だった場合。金利が年0.5%から年1.0%に変わると、毎月の返済額はどれくらい違うのでしょうか。

大事なのは、ニュースで見た金利の数字だけではなく、自分が毎月いくら払い、借入残高がどれくらい減るかを確かめることです。

借入3,000万円・35年で比べる

次の表は、3,000万円を元利均等返済で新たに借り、35年間ずっと同じ金利が続くと仮定した単純比較です。ボーナス払い、手数料、保証料、団体信用生命保険の上乗せなどは含みません。

年利毎月の返済額(概算)年0.5%での返済額との差
0.5%77,876円―
0.75%81,235円+3,359円
1.0%84,686円+6,810円
1.5%91,855円+13,979円
2.0%99,379円+21,503円

0.5%から1.0%になると、毎月約6,800円、年間では約8万2,000円の差です。

月返済額は1円未満を四捨五入し、差額は丸めた月返済額同士を引いています。年0.5%と年1.0%の差は月6,810円、これを12倍すると年81,720円です。計算には、元金3,000万円・月利(年利÷12)・返済回数420回を使う元利均等返済の式を用いています。金融機関による端数処理や初回・最終回の調整などで、実際の返済予定表とは差が出る場合があります。

ただし、これは35年間ずっとそれぞれの金利で返済する条件の比較です。すでに返済中のローンで、途中から金利が上がった場合の実際の返済額や総利息を表しているわけではありません。

変動金利なら、すぐに毎月の引き落とし額が増える?

必ずしもそうではありません。

銀行や契約によっては、変動金利で元利均等返済を選ぶと「5年ルール」が適用されます。

これは、適用金利が途中で上がっても、原則として毎月の返済額を次の見直しまで据え置く仕組みです。たとえば三菱UFJ銀行・三井住友銀行は、変動金利・元利均等返済の返済額を5年ごとに見直すと説明しています。ただし、年数は10月1日を通過した回数で数えるため、借入日から必ず丸5年間据え置かれるという意味ではありません。見直しの基準日や新返済額が適用される月は借入先で確認してください。

ただし、返済額が変わらないことと、金利上昇の負担がないことは別です。

毎月8万円を支払うとして、そのうち利息に充てる割合が増えると、元金の返済に回る金額は少なくなります。借金が減るスピードが遅くなるわけです。

適用金利の変更時期と、毎月の返済額の変更時期を分けて確認しましょう。両行の説明は、末尾の一次資料で確認できます。

「125%ルール」があれば安心?

125%ルールは、このルールが適用される契約で、返済額の見直し時に新しい毎月返済額を従来の125%以内に抑える仕組みです。

仮に毎月8万円なら、見直し後の返済額の上限は10万円という考え方です。

ただし、これは返済総額や利息の増加が25%以内に収まる保証ではありません。返済額に占める利息の割合が増えると元金が減りにくくなります。さらに、金利が急激に上がって利息だけで毎月の返済額を超えると、超過分が未払利息として翌月以降へ繰り延べられることがあります。

三菱UFJ銀行は、金利情勢によって最終返済日に残債がある場合、原則として同日に一括返済する扱いを説明しています。

また、すべての住宅ローンに5年ルールや125%ルールがあるわけではありません。三菱UFJ銀行・三井住友銀行は元金均等返済には両ルールがないと説明しており、ソニー銀行も両ルールに基づく返済額の計算を行っていないと明記しています。契約書や返済予定表を必ず確認してください。

家計では「返済額」だけでなく「余力」を見る

住宅ローンで金利上昇を考えるとき、見るべき数字は一つではありません。

  • 毎月の返済額がどれほど変わるか
  • 支払額のうち、元金と利息の割合がどう変わるか
  • 教育費など、別の支出が増える時期と重ならないか
  • 金利が想定以上に上がっても、貯蓄を取り崩さず生活できるか

「これから金利は何%になるか」を正確に予想するのは困難です。一方、金利が上がった場合に家計が耐えられるかは、条件を置いて試算できます。

自分の数字で確かめてみる

借入額、残りの返済期間、現在の金利は家庭ごとに違います。

「照らしてみる」の「住宅ローン、金利が上がったら?」で、あなたの条件を入れて比較してみてください。

入力するのは現在の住宅ローン残高・残り返済期間・現在の金利です。現在の金利から0.25・0.50・0.75・1.00ポイント上昇した条件を比較できます。上の表の年0.5%・0.75%・1.0%・1.5%の行は、残高「3000」万円・残り期間「35」年・金利「0.5」%で試せます。年2.0%の行はその入力では表示されません。

住宅ローン、金利が上がったら?を試す

ツールは、入力した残高を残り期間で元利均等返済する仮定の比較です。現在の条件の月返済額も再計算した試算であり、実際の引き落とし額とは限りません。5年ルール・125%ルールによる返済額の据え置きや未払利息、将来の金利変動・残高の推移は再現しません。元金と利息の内訳や実際の変更時期は、銀行の返済予定表・契約条項とあわせて確認してください。

参考にした一次資料

掲載例は概算・仮定計算です。2026年10月16日時点の各行の住宅ローン金利や将来の金利見通しを示すものではありません。